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ウィレム・デフォー×ジュリアン・シュナーベル ゴッホの映画をアーティストが作るということ

2019年11月9日

  • 「バスキア」「潜水服は蝶の夢を見る」など映画監督としても活躍する、現代美術家のジュリアン・シュナーベルが、ウィレム・デフォー主演で画家フィンセント・ファン・ゴッホを描いた最新作「永遠の門 ゴッホの見た未来」が公開された。シュナーベルはゴッホの視点で世界を見つめ、デフォーが渾身の演技で、当時、一流の画家として認められなかった苦悩と、自身の信念の中で生きたゴッホの精神に迫り、第75回ベネチア国際映画祭で男優賞を受賞した。来日したシュナーベル監督とデフォーが作品を語った。(取材・文/編集部 撮影/松蔭浩之)


    【動画】ゴッホだけに見えた風景とは…「永遠の門 ゴッホの見た未来」予告編


    --生前に才能を認められなかったゴッホとは違い、画家としても映画監督としても成功されているあなたが、ゴッホを題材にした映画を作られた理由を教えてください。


     シュナーベル 私は画家としても映画監督としても成功していると言われますが、何をもって成功と言うのでしょうか。本当の成功は、自分の作った作品の質によるのではないかと思います。私にとって芸術と人生は表裏一体。アド・ラインハートという画家の言葉を引用すると「芸術があって、あとはそれ以外」ということなのです。ゴッホがかつて描いた絵が、今、生きている私たちの中で息づいています。


     ウィレムもアーティストですし、彼は俳優として、演技という芸術活動を行っています。ですから、ふたりでこの映画という芸術作品を作りました。芸術は時間と一緒に機能していくもの。この映画のタイトルは「永遠の門」です。私たちはこの映画とともに永遠に参加したのです。皆、いつの日か人間としての命は消えますが、映画は記録された作品として残り、彼の画家としての感情はずっと続いていくのです。


     この芸術作品――映画は、ウィレムがいなければできませんでした。彼が参加し、高みに持って行ったことに、ゴッホは大きな笑みを浮かべるに違いないでしょう。ゴッホについての映画はたくさんあり、それぞれ違う視点から作られています。しかし、このウィレム・デフォー版のゴッホは、比類のない素晴らしいものだと思います。今回彼と一緒にこの映画を作り、完成したことを光栄に思っています。

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