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【パリ発コラム】バカンスシーズン突入のフランス、1985年の夏と少年たちを描いたオゾンの新作が好調

2020年8月1日

  •  フランスでは6月22日に約3カ月ぶりに映画館営業が再開され、劇場関係者もほっと胸を撫でおろしたばかり。だが、ここにきて再び新型コロナウィルスの感染者が増え始めている。バカンスシーズン突入でパリから人が減り始めたのと並行するかのように、地方の施設などのクラスター感染が見られるように。本格的な第2波を恐れた政府は7月20日から、ついに屋内の施設すべてと、屋外でも市場や商業施設など人が集まるところではマスク着用を義務付けた。映画館も、これまでマスクは推奨にとどまっていたため、席に座ると外す人がほとんどだったが、これからは鑑賞中も着用しなければならない。とはいえ、さすがに暗闇の中で見回りが来るわけでもないので、マスクに慣れない人々がどこまで守るかは微妙なところだが。


     夏休みは通常、ハリウッドのブロックバスターとフランス産ファミリー向けコメディに占領される。だが今年の夏は大作がほとんどない。夏に照準を置いていたクリストファー・ノーランの「TENET テネット」は、アメリカの公開が未だ決まらないなか、フランスの公開は8月最終週にずれ込んだ。新作も少しずつ出てはいるものの、いまだ3月の外出規制前に公開になった作品が占めている割合が大きい。


     そんななか、今夏を彩る一番の話題作が、フランソワ・オゾンの新作「ETE 85」(85年、夏)だ。本作は今年の「カンヌ・レーベル」に選ばれ、映画祭が通常通り開催されていれば、夏前の公開を予定していたと言われる。だが、外出制限と映画館閉鎖により延期になっていたなか、ようやく7月14日の革命記念日に公開に漕ぎつけた。通常ならばこの日を境にパリジャンはどっとバカンスに繰り出すため、決していい日程ではないはずだが、夏が舞台ゆえにこれ以上は遅らせられない、という事情だったのだろう。


     もっとも、今年はパンデミックによる経済的な打撃により、例年よりはパリに人が残っている印象だ。公開初日は、行楽日和の好天にも関わらず、劇場に人が繰り出していた。わたしも初日に駆けつけたが、映画館の定員は50パーセントに絞られているので、ほぼ埋まっていた。

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