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ここを逃げたい、どうすればいいですか――「海辺の彼女たち」藤元明緒監督が語る“外国人労働者の現実”

2021年4月30日

  •  「見た方がいい」という言葉よりも「見るべきだ」という強い思いが引き出される。「海辺の彼女たち」(5月1日公開)とは、そういう映画だ。スクリーンに映し出されるのは、あくまでもフィクション。しかし、そこに映し出された“世界”は非現実的なものではなく、決して他人事でもない。私たちが暮らす日本という国で“彼女たち”は確かに生きている。


    【動画】「海辺の彼女たち」コメント入り予告編


     第68回サンセバスチャン国際映画祭、第33回東京国際映画祭、第42回カイロ国際映画祭で注目を集めた本作は、東京国際映画祭「アジアの未来部門」グランプリ受賞作「僕の帰る場所」で注目を集めた藤元明緒監督による長編第2作。日本における外国人技能実習生の失踪問題を背景に、より良い生活を求めて来日したベトナム人女性3人が、きらめく未来を夢見ながら、過酷な現実と闘う姿を描いている。


     ベトナムからやってきたアン(フィン・トゥエ・アン)、ニュー(クィン・ニュー)、フォン(ホアン・フォン)。彼女たちは日本で技能実習生として3カ月間働いていたが、ある夜、過酷な職場からの脱走を図った。ブローカーを頼りに、辿り着いた場所は雪深い港町。不法就労という状況に怯えながらも、故郷にいる家族のため、幸せな未来のために懸命に働き始める。

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